6月8日に本年の夏の発表会が行われました。今回の会場はいつも使わせていただいているミッドタウンのスタジオを離れ、生徒たちの美しいバイオリンの響きを存分に聞くことのできる、ハーレムにある小さな教会に移ってみました。
今回の発表会では下は7才から、上は16才までの6人の生徒が日頃の練習の成果を発表しました。教会の響きはやはりスタジオとは比べ物にならないほど格別だったのでこの先の発表会もこちらでやっていきたいと考えています。
生徒達それぞれが前回の発表会に比べ、大変良い成長を遂げたと感じますが、その中で一人、一度バイオリンを辞めて戻ってきた生徒がいます。家庭の事情と成長期の悩みが渦を巻き、3年前にレッスンを辞めてしまったAちゃん。才能ある彼女が辞めてしまった時、非常に残念に感じました。複雑な状況にいる生徒を辞めさせないよう説得したくともバイオリンの先生が立ち入れる範囲を超えた状況でした。しかしこの春、心の余裕を少し取り戻した様子のAちゃんは自分の意志でまたバイオリンを始めたい、と連絡をくれました。正直なところ、数年のブランクを乗り越えて毎日の練習が本当に続けられるのか、私は半信半疑でしたが、発表会の7週前からレッスンを再開し、本番に向けて一生懸命練習をしました。たった7週間で長期ほとんど手にしなかったバイオリンの演奏をしっかりやり遂げた努力は、この先彼女の自信へとつながっていくでしょう。