コラム 〜第1回〜 『子どもの頃にバイオリンを習うということ』

〜第1回〜

 

子どものころにバイオリンを習うという事

 

皆さんの中にはピアノと比べるとバイオリンはなじみがない、敷居が高い等のイメージがありませんか?そういったイメージを減らす事を目標に、お子さんのバイオリンレッスンについてお話をしてみたいと思います!

日本で生まれ育った方の中には子供の頃ピアノを習っていた方は多いのではないでしょうか?それに対し、バイオリンはどうでしょう?今や世界中で使われている鈴木メソード発信国である日本ですが、なぜかバイオリンはピアノに比べると手に取られる方は少ないようです。もちろん、ピアノも素晴らしい楽器ですが、音楽だけでなく、それ以外の様々な面でバイオリンを習う事を通して子どもの発達にとても大きな効果が期待できるのです。

 

バイオリンはまず立つ姿勢が基本中の基本。4本、又は3本の足に支えられるピアノと違い、バイオリンは奏者自身が支える必要があります。支え方も何でも良いというわけではなく、例えば楽器の肩への乗せ方ひとつをとっても、正しい構え方を最初に学びます。また、バイオリン本体だけではなく、弓も正しい持ち方と動作を学びます。初心者にとってはまず楽器の構え方と弓の持ち方、この二つに時間をかけ、焦らず、 体の感覚で正しい構え方・持ち方を出来るようになるのが第一歩なのです。この二つが出来るようになって初めて、音を出す事に進みます。ピアノはポンッと鍵盤を押せば誰でも音が出せますよね?それに対し、バイオリンは音を出すまでに時間がかかる、辛抱強さや根気強さを試される楽器なのです。 そういう意味でバイオリンという楽器は何事も諦めず、一つの事を続ける根気を育てるのに最適な楽器だと感じます。

更に、耳で音程やリズムを聴き、右手は弓を動かし、左手はバイオリンの弦を押さえるという左右全く別の動作をしますから、体のコーディネーション能力が発達するのはもちろん、集中力も伸びます。一つ一つの壁を乗り越える度に自信もついていきますし、成長して室内楽やオーケストラ等でアンサンブルするようになれば協調性も育まれます。

 

とここまで読むと、「良い事だらけのようだけど、そんなにうまくいくのかしら・・・?」と、思われる方。

もちろん、何を難しいと感じられるかは、みなさんそれぞれかと思いますが、苦労する部分はでてくるかと思います。これまでたくさんの生徒さんとそのご家族を応援してきた中で、バイオリン続ける上で一番大変な部分はこの2つです。

·      毎日練習を続けるのが大変。

·      中々進歩を感じない。

確かに、レッスンの効果は数週間や数ヶ月で現れるものではありません。その効果とは山あり谷ありの永い期間(年単位)で現れるもの。これは保護者の方と指導者の辛抱強さが計られるところでもあります。でも、なかなか上達しなくて悔しい時にも諦めず、先生やご家族の支えで乗り越えて行く。それを通して生徒さんは出来なかった事を出来るようになる 方法を学び、ひいてはそれが、人生の中で問題解決の知恵に結びき、大きな成長につながっていくのではないでしょうか。

 

このコラムでは、実際に私が担当して生徒やそのご家族の体験を例に、『バイオリンレッスン成功の秘訣』と題し、どのように壁を乗り越え、問題や課題をポジティブな成長につなげたかをご紹介したいと思います。 どうぞお楽しみに!

 

*このコラムはニューヨーク・ウィークリー・ビズ紙さんのオンライン版に掲載されました。